2022/12/24 15:47

12月に突入し、全国的に寒さが本格化してきています。

北日本や日本海側では雪の降るところが多いようで、ここ奈良でも雪が降る様な厳しい天気となっています。

ホワイトクリスマスになりそうな様相ですが、くれぐれも暖かくして過ごされる様にしてください。


さて、前回からの続きですが1960年代から1970年代の高度経済成長の波に乗って企業としても段々と大きくなっていった岩崎工業が、自分たちのブランドとなるLUSTROWARE(ラストロウェア)を持つに至った経緯に触れていきたいと思います。

4. 自社ブランド取得

1967年に本社を奈良県大和郡山市に移転する前後から、2代目の社長が前々回のblogでも書いたように、海外の文化に触発されて『家庭用品でもブランドを持って販売する!』というのをずっと言っていたそうです。

そこでお付き合いのある商社さんにアメリカにある日用品のブランドを使用出来ないのかを聞いてもらった様です。
そこで商社さんから提案があったブランド、そのブランドこそがラストロウェアだったのです。

当時はアメリカ、オハイオ州コロンバスにあるボーデン社(BORDEN)という会社がラストロウェアのブランドを持っていて、プラスチック製の保存容器などを販売していました。
         

ビンテージ調でちょっと無いようなレトロアメリカンテイストで、逆に今の時代だと新鮮に感じる方もいるかも、と思ってしまうようなデザインとスタイルですね。ちょっとrefineして現在の素材と技術で作れば、人気が出るかも!?なんて思います。
 
このボーデン社ですが、実は日本でも有名なLady Borden(レディーボーデン)のアイスクリームを販売している会社でアイスクリームや乳製品の商品以外にも多くの事業を手掛けていました。今は会社自体は無くなってしまい、いくつかのブランドと商品にボーデンの名は残っているのみとなります。

日本ではスーパーやコンビニで見かけるあのアイスクリームが、まさかプラスチックの日用品を作る会社の岩崎工業と関係があるのは結構な驚きですよね。


 *LOTTE GROUP公式オンラインモールからの引用

岩崎工業はボーデン社と提携をして、1968年9月からラストロウェア ブランド製品の販売を開始しました。

当時の家庭日用品業界では、海外のブランドライセンスを使用して販売することは非常に珍しく、日本の日用品のブランドの先駆けと言っても過言ではないでしょう。ブランド名のラストロは、ラテン語で”光り輝く、光沢のある”を意味する lustrumに由来しています。
当時使用していたブランドロゴのマークにはLustroとwareの間に星があり、星のごとく光り輝いている商品、を表しています。(旧ロゴ)
 
                      

弊社の多くの商品が、クリアや白色の製品が多いのはそう言ったLustroの語源からも起因しているのかも知れません。

さて、念願のブランドを獲得した岩崎工業ですが、1970年〜1980年とまた大きく時代が変わる時に会社はどの様になっていたのでしょうか。

Vol.5に続く。